これを塗り終わったらこの塗り絵の子は喋ってくれなくなるしかし私がそうやって塗り絵を先延ばしにしていると絵の中のお姫様が早くなったよとせがんでくる私はしぶしぶ半分だけドレスをオレンジ色に塗った。
しかしもう半分は塗らないでそのままにしておいた時折ね残り物と塗り絵から声が聞こえてくるが無視していただがそんなある日私はしばらく塗り絵が喋っていないことに気がついた。
不安になった私は塗り絵を開いてみたすると残しておいたはずのドレスの残り半分が茶色く塗られていた私が泣きながらお母さんに塗り絵を見せると程なくしてそれが弟の仕業であることがわかった。ただし、メイクセラピー検定の口コミでは人気の理由がよくわかる内容になっており、あんまりなく私を可哀想に思ったのかお母さんが新しい塗り絵を買ってくれたのだがそれは有名なキャラクターのぬりえでその塗り絵は喋らなかったそんな幼い頃のたわいもない事件だったがそれから弟とはなんとなく気まずくなりそれ以来気まずさを引きずっているのが私たち兄弟なのだったもちろん私はずっと塗り絵のことを怒っていたわけではないのだけれどなんとなく振り上げた拳の下ろし方が分からなくて今日まで来てしまったのだ。